夫は36歳、画家。

妻は25歳、出版社に勤める編集者。

夫はアルバイトを続けながら絵を描き、

夫の絵が大好きな妻はその売り込みに腐心する。

お互いを必要とし、お互いを気遣い、支え合った夫婦の物語…。

そしてある夜、夫は妻の死体を捨てに出掛ける。



2004年製作 / HD作品 / 5.1サラウンド / カラー / 38分


傑作『イリヤ』の佐藤智也監督が再び描く、新たなディスコミュニケーション、いや"デスコミュニケーション"。今度はSFから、ゾンビ・ホラーのフォーマットを用いて、男と女のデリケートな部分に分け入る繊細さに、舌を巻いた。
(塩田時敏/映画評論家)


 監督の佐藤智也はこれまで2本の中編を企画・制作。独自の世界設定で宗教や自殺といったあやうい素材を描き、多くの映画祭で上映、ミニシアターで公開されている。そして、ハイビジョンによる新作『舌〜デッドリー・サイレンス』で扱った素材は、ゾンビ。ある夫婦の「道行き」を追ったダークファンタジーである。
 主演は劇団OrangePunPKing主宰のあしかがあや(現・足利彩)と、『近未来蟹工船・レプリカント・ジョー』などの松梨智子監督作品で怪演を見せるまんたのりお。音楽には、多くのミュージカルやヘアーショーなどの作曲を手掛け、ショー・コスギのツアーの音楽監督も務めた佐々木華音(現・佐々木景清)が楽曲を提供している。